私のジムにいらっしゃるお客様はほとんどが30代以上の方です。
このくらいの年齢になってくると体の変化を感じ、老化を意識し始めるのでしょう。
体力の低下、体重が少しづつ増えてきてなかなか落ちなくなってきた、体重は若い頃とさほど変わらないのに体型が変わってきた、写真写りが悪くなった、膝や腰の痛みが気になりだした・・・。
何かしなくては、このままじゃまずい、と筋トレを始める方は多くいらっしゃいますね。
今まで無かった運動習慣を身につける事は素晴らしいことですね!
でも、ちょっと待って!
せっかくやり始めた筋トレですが、若い頃と同じようにやっても思うほど成果が出なかったり、中には体をいためてしまうこともあります。
それにはちゃんとした原因があります。
ある程度年齢を重ねてから筋トレを安全かつ効果的に行うには体の土台作りからスタートする必要があるんです。
この記事では年齢を重ねた方にトレーニングを安全に効果的に行うための土台作りについてご紹介いたします。
目次
姿勢を良くして歪みをとる
この記事を読んで下さっているあなた、肩こりや首こり、腰痛や膝痛を感じることはありませんか?
もしあるのならその状態で筋トレを始めるのはちょっと待ってください!
そのまま筋トレを始めると痛みや不調を悪化させてしまう可能性が高くあります。
どういうことなのか、説明していきますね。
まず、良い姿勢・悪い姿勢について説明しましょう。
良い姿勢と悪い姿勢
姿勢が良いとか悪いとか、よく聞くフレーズだと思いますが具体的にはどういう姿勢をいうのでしょう?
良い姿勢をとても簡単に説明すると、重力に抗うために骨や筋肉でバランス良く体を支えられている状態をいいます。
重力に抗って人の体が真っすぐ立っていられるのは骨を主役にして、前後左右と拮抗する筋肉が引っ張りあってバランスをとっているからなんです。
また、背骨は本来自然なS字カーブを描いていてそのカーブがあるからこそクッション性を保っていられるのです。
関節も正しい位置にあれば負担なく滑らかに動くことができます。
つまり、良い姿勢でいられると体にかかる負担が少ないのです。
ところが姿勢が悪く体が歪んでいると筋肉の前後左右のバランスが崩れ、一定の筋肉は体が倒れてしまわないように常に力が入っている状態でカチカチに凝り固まってしまいます。
また、猫背になり背骨のカーブがきつくなってしまうと本来のクッション性が発揮できませんし、関節も本来の運動軸から外れてしまうので関節の一部分だけが摩耗してしまいます。
これが肩や首の痛みやコリ、関節痛の原因です。
トレーニング前に姿勢のリセットが必要なワケ
筋トレは負荷(重み)をかけて体を動かす運動です。
もし姿勢が悪いまま筋トレを行うと、ただでさえ普段から負担をかけている場所にさらに負担がかかってしまうのはわかりますよね?
また、筋トレに限らず他のどんな運動も普段やらない動きをしたりいつもよりたくさん体を動かすことになります。
姿勢が悪いと運動の軸がずれてしまっている状態ですので、ますます関節の摩耗に拍車がかかります。
膝が痛い人がウォーキングをして痛みがひどくなってしまったり、腰痛持ちの人が腹筋をして悪化したりという話はよく聞きます。
これが、筋トレを始める前に姿勢改善が必要な理由です。
体を柔らかくする
筋肉をつけたいのだから体の柔軟性なんて関係ない、と思うかもしれないですが、体が固くなってしまった中年以上の人が効率良く筋肉をつけたいのであればストレッチは必須です。
どうしてストレッチが必要かをお話する前に、まず柔軟性というものについて知っていきましょう。
体の柔らかさは○○で決まる
○○の答えは「筋肉の柔らかさ」です。
筋肉はゴムに例えられる事が多く、大きく伸びたり縮んだりするのですが、ゴムと同じでしばらく使わないでおくと固くなってしまいます。
また、水分を保持する力も加齢により衰えてきますでだんだん固くなっていきます。
乾いて劣化したゴムは伸びないですよね?
要するに運動不足や加齢が筋肉を固くさせ、体の柔軟性の低下につながるのです。
体が固いと筋トレの効果が出にくい理由
筋トレの負荷は「重さ×距離」で決まります。
体が固いという事は関節を大きく動かすことができないので「距離」を稼げないため同じトレーニングをやっていても効率が下がってしまいます。
また、小さくしか動けないという事はいつも動けず必ずサボっている場所が出てきてしまいます。
わかりやすい例でいうと・・・。
魅力的なヒップを作りたいのに・・・
お尻と太ももの境目、年齢を重ねるにつれてだんだんとボンヤリしてきますね。
瘦せていても垂れ下がってボンヤリとしたシルエットのお尻はあまり魅力的ではありませんね。
尻と太ももの境目をハッキリさせるには、太ももの裏側の筋トレが効果的です。
ですが同じトレーニングをしていても股関節が固い人は太ももの裏を鍛えようとするとお尻と太ももの境目には効かず、ひざの裏ばかりに効いてしまいます。
そうなってしまうとトレーニングの意味が無くなってしまいますね。
自分の効かせたい場所に負荷をかけるためには実は柔軟性もとても大切なんですよ!
サボり筋を起こす
ここまでの姿勢と柔軟性のお話をで、体が固く姿勢が悪くなってしまっていると一定の筋肉にばかり負担がかかるとお伝えしましたが、その他の筋肉はサボって働いてくれません。
それが一体どういう状態か、からお話ししていきます。
筋肉がサボってるってどういう状態?
悪い姿勢でいると重力に抵抗して体を支えるために、一定箇所の筋肉は常に力が入って頑張りすぎている状態なのですが、その筋肉の拮抗筋(反対の作用を持つ筋肉)はいつもサボって(緩んで)います。
また、体が固く動きが小さくなっている関節ではそこを動かす筋肉が力を発揮できない状態になっているのでその筋肉もいつもサボって(伸びっぱなし)います。
そのようにいつもサボって(緩んで伸びっぱなし)の筋肉は必要な時にいざ動かそうと思っても上手く動くことができません。
例えば・・・。
スクワットで脚が太くなる!?
「ヒップアップに効くとネットで見てスクワットを始めてみたけれど何故かお尻に効かず太ももの前の筋肉ばかりが発達して脚が太くなってきた。」
それは股関節が固かったり姿勢の影響でお尻の筋肉が普段サボっているから動かせず、使いやすい前ももの筋肉ばかりを使ってしまうからです。
日本人はお尻の筋肉を上手く使えていない人が多いようで実際このような方は大勢いらっしゃいます。
長く仕事を休んでいるといつもの感覚を取り戻すのに少し時間がかかったりしますよね?
長く休めば休むほど感覚を取り戻すのに時間がかかってしまいます。
筋肉にもそんなことがおこります。
サボり筋を起こすには?
普段眠っていて使えていない筋肉は自分の働きを思い出させるためにスイッチを入れてあげなければいけません。
本来はちゃんとここまで動くことが出来ますよ、って教えてあげないと自分の仕事を思い出す事ができないんです。
バリバリ仕事をこなしていた人でも何年か仕事から離れていれば、復帰していきなり高いパフォーマンスを発揮することはできませんよね?
出来たとしたらあらかじめ復帰に備えて準備をしていたはずです。
筋肉にもこの準備が必要なんです。
まして苦手な部分で長期間使っていないとすれば、なおさらきちんと準備をする事が大切です。
固くなってしまっている部分を緩め、姿勢を改善した上で使えてなかった筋肉に本来の動きを思い出させることがこの準備にあたり、サボり筋を起こすことになります。
しっかりと栄養をとる
ここまでは筋トレのノウハウについて書きましたが、ここからは体作りのための栄養について書きます。
筋トレで栄養とくればたんぱく質(プロテイン)を思い浮かべる方が多いと思うのですが、年齢を重ねるとプロテインをとっているだけではなかなか筋肉がついてくれないのも現状です。
たんぱく質だけじゃない!筋肉を作る栄養素
筋肉をつけるためにたんぱく質が必要なことは皆さんよくご存じだと思います。
ですが、それだけとっていても筋肉は効果的に作られないのです。
たんぱく質が体の中で筋肉や内臓、髪やお肌に合成される時にはビタミンやミネラルがたくさん使われます。
また、筋肉の合成を促すホルモンも加齢やビタミンやミネラルの不足で分泌量が低下してしまします。
体の中で筋肉などが新しく合成されることを代謝といいますが、年齢を重ねると細胞が代謝を行う能力が低下してしまうのです。
また、消化吸収機能も年齢とともに衰えてきます。
たんぱく質は消化吸収が難しい栄養素ですので、それを補うためには腸内環境を良くする食物繊維も欠かせません。
ですので、若い頃以上にしっかりと栄養をとらなければ筋肉が作られにくくなってしまうのです。
年齢を重ねるとたんぱく質だけたくさんとっても筋肉が増えないのはこんな理由があるからです。
ビタミンやミネラルはそれぞれがお互いの吸収や働きを助け合ったりしているのでこれだけとっていれば大丈夫、というものではありません。
40代以上でしっかりと筋肉をつけていきたい方はたんぱく質だけではなく色んな栄養素をバランスよくとることを心掛けるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
若い頃と同じようにやっていてもトレーニングの効果が出にくい理由についてまとめてみました。
せっかくのトレーニングが無駄にならないように、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
この記事を書いたのは

30代以上女性専門
ボディリメイクトレーナー
柳田純江
1977年生まれ現在44歳。
茅ケ崎・辻堂など湘南エリアの
30代以上女性専門パーソナルジム
「Sunny Side Gym」代表。
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